東大数学2020は難化?

どうも、駒場太郎です。
国立大学の受験生は前期試験お疲れ様でした。
まだ後期がある受験生はあと一息頑張ってください。(この記事を見ている場合じゃない)
目次
東大数学2020
今回は東大数学2020の感想を書きます。
先日、150分しっかり測って東大数学解いてみました。
ちなみに結果は56点…….
なんともコメントしづらい点数。
大問ごとの点数は、14/0/20/5/13/4
この点数から分かるように、僕は数学で100点以上取るような天才ではありません。
ですので、凡人目線の感想にはなります。(保険をかける)
それでは、1問ずつ振り返っていきましょう。
第1問
テーマは「二次関数」と「論証」。
例年、第一問はサービス問題が多い印象でしたが、今年は違いました。
論証はいかにも「数学」という感じで苦手意識のある受験生が多い印象です。
しかも、「集合が一致している」という、いかつい文章が問題文に。
第一問の問題文じゃないでしょ…..
手をつけてみると、(1), (2)は背理法を使えば、割と簡単に解けました。
「全て」、「少なくとも」は背理法を使うときのキーワードですね。
問題は(3)。
俺は、a=0 , b>0, c>0 と安直に設定してしまったために論理に穴を作ってしまいました。
本当は二つ以上が0である可能性を考慮しなくてはいけませんでした。
(1) | (2) | (3) | 全体 | |
予想配点 | 5 | 6 | 9 | 20 |
難易度 | 易 | やや易 | 標準 | 標準 |
いかつさ | かなりいかつい |
第2問
テーマは「平面図形」。
最初3分くらい粘りましたが、飛ばしました。
アプローチ方法が思いつかず、解ける気がしなかったからです。
その後、この問題に再び戻りましたが、全く進みませんでした。
このセット唯一の白紙です。
あとで解答速報を見てめちゃくちゃスッキリしました。
解法が思いつけば作業量は少なく、外形が書ければ面積計算は簡単です。
「思いつかないと0点、思いつけば簡単に満点」
は図形問題特有の怖いところだと思います。
予備校はこの問題を「易しめ」だと評価しているようです。
しかし、本番の緊張感の中、冷静に解放を思いつける人はかなり少ないと思います。
受験数学チックではなく、中学受験の「算数」に近い問題だったのでいかに頭を柔らかく使えるか、が問われる難問だと考えています。
配点 | 20 |
難易度 | やや難 |
発想力 | 小学生の頭の柔らかさが必要 |
第3問
テーマは「微分、積分」。
このセットでは一番簡単な問題だったと思います。
今回唯一の完答でしたし、かかった時間も15分程度です。
解法は典型的なものですし、誘導もかなり丁寧だと感じました。
東大の微積問題あるあるの「計算処理能力ゲー」でもなく、計算量も軽め。
東大受験生としてはこの問題は死守したいです。
とはいえ、 近年の東大数学のサービス問題にしては、手数が多くミスを誘いやすいので、ある程度差は開いた問題かもしれません。
(1) | (2) | (3) | 全体 | |
予想配点 | 5 | 5 | 10 | 20 |
難易度 | 易 | やや易 | 標準 | やや易 |
第4問
テーマは「整数」と「数列」。
この大問はかなり難しいです。
まず問題設定が複雑すぎます。
「例えば…… 」の例も一目では良く分かりませんでした。
(1)だけなんとか解けましたが、解法も計算も一筋縄ではありませんでした。
(2)以降は難問の予感がしたので早々に撤退しました。
実際に手を動かして数式をいじることで突破口が見える、と言った感じです。
このような多項式の問題ってごちゃごちゃしていて、見た目もいかついので、時間的にも後回しにした受験生は多そうです。
理3の受験生にとっては差が付く問題かな?、と思いました。
(1) | (2) | (3) | 全体 | |
予想配点 | 5 | 7 | 8 | 20 |
難易度 | 標準 | やや難 | やや難 | やや難? |
第5問
テーマは「空間図形」と「求積」。
(1)は簡単すぎて合ってるのか不安になる問題でした。
(2)は少し頭を使います。
空間把握能力が乏しい人にはかなり厳しいと思います。
俺も試験場では立体を想像できるか怪しいところです。
俺は円の中心座標を早とちりして間違えてしまったので完全解答ならず。
k/2のところを 1-k/2 にしてしまいました。(kはz座標です。)
この問題のいやらしいところは検算ミスを誘ってくる(狙ってるんか分かりませんが)ところです。
k=1として検算すると、俺のように間違っていても答えが合ってしまうので、まんまと完答した気分にさせられました。
(1) | (2) | 全体 | |
予想配点 | 5 | 15 | 20 |
難易度 | 易 | やや難 | 標準 |
いやらしさ | かなりいやらしい |
第6問
テーマは「三角関数」と「二次曲線」と「論証」。
(1)は文字が多いので処理しづらいです。
αが定まってないので、グラフを書きずらいのが難しいところでしょうか。
また、「解が4つ以上」なので、広い範囲で考える必要もありました。
(1)は割と差がつきそうです。
(2)はとにかく問題文がゴリゴリしています。
ちなみに俺は試験中読むことすら放棄しました。
いかにも難しそうな問題なんで捨てるのもありだったと思います。
問題設定を正しく把握することからそれなりに労力が必要なヘビーな問題です。
それに、二次曲線は、勉強を後回しにしがちな分野ランキング第1位なので苦手な人は多いはずです。
また、またもや論証が絡んでくる問題であり、かなりめんどくさい。
(1) | (2) | 全体 | |
予想配点 | 6 | 14 | 20 |
難易度 | 標準 | 難 | 難 |
めんどくささ | めんどくさい | かなり面倒 |
東大数学2020の特徴
今回の東大数学の特徴についてさらに詳しくまとめてみます。
思いついてのは以下の4つです。
・確率の出題がない
・易しい問題が少ない
・図形問題が多い
・問題設定がいかつい問題が多い
確率の出題がない
2018, 2019, 2020と3年連続で確率が出題されませんでした。
それまでは、確率といえば必ず1問は出題されるような常連問題でした。
確率の勉強にかなりの時間を割く受験生はほとんどです。
「ハッと目覚める確率」など、確率に特化した問題集をこなす受験生もそう少なくないはずです。
しかも、確率の解法って、他の分野と独立している性質があるので確率の勉強が他の分野に活かされにくいです。
(数列とかは関係あるかもですが)
それだけに、確率が出題されないとなると、かなり拍子抜けしてしまいますよね。
易しい問題が少ない
今回のセットで一番取りやすい問題は第3問であると思います。
第3問もそんなにめちゃくちゃ楽というわけでもありません。
また、第3問以外はなかなかクセのある問題ですので、
完答するには数学力はもちろん集中力なども、かなり問われたと思います。
図形問題が多い
図形が絡んだ問題が多かったです。
第2問、第3問、第5問、第6問は平面or立体的図形が関わる出題でした。
個人的な意見ですが、図形問題ってどうしても才能による部分が多い印象なので、全体としてセンスが問われるセットだったと考えています。
問題設定がいかつい問題が多い
問題文がかなり多く、状況設定が難解でした。
とにかくいかつい。
題意を把握する段階でもミスが起きやすくなるので、かなりの注意力が必要であると思います。
「情報を正しく素早く処理する能力」を要求するところは東大入試全体に言える(英語が特に顕著)傾向であると言えます。
全体としては「やや難」
個々の問題を見ると、標準〜やや難の大問が目立ちますが、
上記のような傾向変化を加味すると、全体の難易度としては「やや難」であると結論が出せます。
ここ10年の中ではベスト3に入る難しさであったと感じています。
3年連続で難化の道を歩む東大数学には何か意図があるのでしょうか。
このセットだと、2完が関の山だと思うので、40点〜60点の間に集中していると予想しています。
数学が少し苦手、普通、少し得意な人がこのエリアに入っているのではないでしょうか。
難しい問題がはっきりしていて、得意な人にとっても時間的にも厳しいと考えています。
以上より、ここ最近の東大数学に比べると、得点分散が小さくなると思います。
(他の年度は20点〜90点の間にばらけている傾向にあります。)
ですから、全体的な合否は理科や英語に左右されると言った感じでしょう。
それでは、今回は以上です。