上級問題精講は東大志望にオススメ【東大生が参考書の感想を書く】

どうも、駒場太郎です。
すっかり寒い季節になりましたね。
部屋で凍えながらこの記事を書いております。
さて、東大生の参考書評価のコーナーをやっていきたいと思います。
1浪の末に東大の理科二類に合格した経験をもとに参考書をレビューします。
今回紹介するのは上級問題精講です。
目次
上級問題精講
タイトルから「上級」を自称する強気な参考書。
本屋ではただならぬ威圧感を放っています。
実は、難関大学を志望する受験生にとってはやや有名な参考書です。
僕の通っている高校でも周りに2、3人は使っていました。
よくネットに書かれている情報としては以下のものがあります。
「青チャートや一対一などの網羅系をこなした後にやる参考書」
「やさしい理系数学やスタンダード演習などとの選択でやる問題集」
おそらく、難関大学志望の受験生がこの記事を見ているでしょう。
そして、数学の問題集はやさしい理系数学やスタンダード演習、そして上級問題精講
と迷っている人もいるかもしれません。
僕としては、この中では上級問題精講を推したいです。
(スタンダード演習は僕自身は使っていないので正確な比較はできませんが、使っていた友達の評判は聞いていました。今回はそれを踏まえて書いています。)
ちなみに、やさしい理系数学については私はおすすめしていないので、
よかったら以下の記事を参照してください。
上級問題精講の特徴
それではスタンダード演習ややさしい理系数学との違いはなんなんでしょう。
上級問題精講の特徴は以下の3点です。
① 問題の難易度は東大をはじめとした難関大学向けの標準〜ハイレベル
② 1A2Bと3に分かれていて、問題量はそれぞれ150題くらいでちょうど良い
③ しっかりとした解説、でもしつこすぎない
順に解説していきます。
問題の難易度は標準〜ハイレベル
上級、とだけあって難易度は高めです。
1A2Bはそうでもないのですが、3はかなり難しい。(1A2Bと3は分冊になっています。)
典型問題の解法は頭に入っていることが前提で、かなりの計算量が要求される問題が多いです。
そういう問題の出典は、だいたい東京工業大学。
3は東大に受かるには十分すぎるレベルなので、数学でゴリ押したい人向けです。
どうしても解いていて難しすぎると感じる場合は、難問の横には☆印がついているのでそれらは飛ばしてOKです。
2冊とも難易度はやはり簡単とは言えないので、注意が必要です。
1A2Bを使う場合でも、青チャートや一対一などの網羅系によって、
すでに基礎的な解法がインストールされている人が使うと良いです。
東大などの難関大学の受験生で、網羅系の問題集もこなした、でも、
「難問に手も足も出ない!」
って人にはぴったりな参考書だと思います。
問題量もちょうど良い
1A2Bで分冊になっています。
それぞれ150題ずつくらいなのでちょうど良い。
それなりに集中して取り組めば、だいたい2冊で1シーズン(秋のうちに、など)で終わらせることができます。
各分野10題ちょいですが、少なすぎるということはないと思います。
よく出てくる典型的な手法はほぼ網羅できていると感じました。
具体的に言うと、上級問題精講をこなした後に東大の過去問を使いましたが
「歯が立たねえ…….」
というようなセットはありませんでした。
目安としては40点くらいは取れるようになるのではないでしょうか。
それでも、時間がない人。
そういう人は、上級問題精講は分野ごとに問題がまとまっているので、
苦手分野や頻出分野から順番にこなせばOKです。
解説は親切、かつしつこすぎない
解説は別冊になっていないのが玉にキズですが、とても丁寧です。
数学力が中級の人でも理解できるように噛み砕かれています。
答えにたどり着けない人が、どこでつまずきやすいのかを著者が把握しているように感じます。
逆にやさしい理系数学はその点で大きくマイナスで、受験生を置き去りにしてる感ありです。
また、難しい参考書あるあるの、無駄に難しい学問的な背景コーナー(一部の数学大好きな人向け?)はありません。
この精講シリーズは「精講」というコーナーを売りにしているのかもしれませんが、上級問題精講はそのコーナーは控えめです。
でも、分量的にはその方ががちょうどよいかな、というのが正直な感想です。
詳しすぎず丁寧がこの本の素晴らしいところだと考えています。
上級問題精講の対象者
では、どんな人がこの問題集を使えばいいのか。
難関大学志望の理系(東大、東工大?など)はバッチリ対象者だと思います。
それでも使いこなせる自信がない人へ。
生意気ですが、少し受験数学について語らせてもらいます。
数学って他の教科と比べると、演習量が大事になってくる教科ですよね。
英語や理科では暗記をするだけでもある程度すぐに成績が上がることも珍しくないですが、
数学は基礎を固めただけではまだ成績は上がりません。
演習によって「覚えた基礎を引き出す訓練」が非常に大切です。
タンスに服をいくら詰め込んでも、場所を把握していなければ着たい服をすぐには取り出せません。
そして、「数学には難問慣れ」というものがあります。
難関大学の数学の問題では、基礎をたくさん絡めて分かりづらい難問を作ります。
難問に対してどのようにアプローチしていくのか。
その思考法が分かっていないとオロオロするだけで、鉛筆が止まります。
上級問題精講は、難問慣れをする意味ではとても役に立つ問題集です。
やさしい理系数学と違って解説が丁寧なので、
どのような思考法で正解にたどり着くのかを学ぶことができます。
この参考書は名前に上級と名前がついているため手が出しにくいのかもしれません。
でも、安心してください。
解説が十分に丁寧なので、目安としてはセンターで8、9割くらいを取れる人ならこの問題集に全然ついていけるはずです。
上級問題精講を使う時期
1冊、150題ほどあるので、解き切るには1ヶ月くらいはかかりました。
もちろん、数学だけを集中的に勉強するのであればもっと早くこなすことはできますが、
特に現役生は時間に追われているのでそうもいかないでしょう。
ですので、センター前に終わらせることを考えたら10月頭には取り掛かりたいところ。
(12月は国立志望の人はセンター対策に追われる事が多いから)
センター後から高速で終わらすこともできますが、全科目のバランス次第では
分野を絞って(確率、複素数など)ピンポイントで潰す作戦がオススメです。
東大志望におすすめ
まとめると、丁寧でスタイリッシュ(分量も多過ぎない)な問題集であると言えます。
しかも、言うほど上級でもないので応用問題を解く上での足がかりになります。
難関大学(特に東大、東工大?)を志望する受験生にはぜひ手に取ってほしい一冊。
正直、スタンダード演習などの他の参考書も良いとも聞きますが、
もし迷っているなら、上級問題精講を使うことをオススメします。
際立ったデメリットも感じない(後述するものを除く)ので大損はしないと断言できます。
解説は分冊でないこと(スタンダード演習もですが)、3が無駄に難しいことが少し残念なので、
総合評価は星4つ☆☆☆☆です。
では。